ピッコロ・トロンボーン・コントラファゴット ― 新しい響きの誕生

運命・田園の初演は1808年12月22日。217年前の12月に同時に生まれた2つの曲の今回ご紹介するもう一つの共通点。それは、これらの交響曲が新たな楽器を交響曲に導入し、オーケストラの響きを大きく広げたという点です。

ベートーヴェンの第4番までの交響曲には、ピッコロやトロンボーン、コントラファゴットといった楽器は一度も登場していませんでした。しかし、第5番「運命」ではこれら3つの楽器を同時に導入。交響曲史において初期の、そして極めて重要な試みとされています。

この3種の楽器が揃って登場するのは当時としては非常に珍しく、「ベートーヴェンがオーケストラの表現力を飛躍的に拡大させた瞬間」とも言われます。

一方、第6番「田園」でも、ピッコロとトロンボーンが効果的に使われ、自然の情景を描き出すために欠かせない役割を果たしています。

ただし、どちらの曲でも出番はごくわずかです。

「運命」では第4楽章のみ、「田園」ではトロンボーンが第4・第5楽章に、ピッコロは第4楽章のわずか29小節だけ登場します。それでも、彼らの奏でる音は圧倒的な存在感を放ち、曲全体に劇的な輝きを与えています。

特に「運命」の終盤で轟くトロンボーンと、空を突き抜けるようなピッコロの音階の響きは必聴です。

そして一番のおすすめは録音ではなかなか聴き取りにくいコントラファゴットの低音。実演ではホール全体を震わせるような重厚な響きを体感できます。これはまさにライブ演奏ならではの醍醐味。ぜひ会場で味わってください。

第24回 定期演奏会
日時:2026年2月1日(日)14時開演
会場:光が丘IMAホール(東京都練馬区光が丘5-1-1 光が丘IMA中央館4F)
曲目:
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
指揮:横川雅之
入場無料

私たちの年内の練習は 12月28日 が最終日となりました。ここまで積み重ねてきた音を大切に、年明けはいよいよ 2月1日 の定期演奏会に向けて、仕上げの期間に入ります。

本番のステージで、今年の歩みの集大成を皆さまにお届けできるよう、団員一同さらに精進してまいります。

寒さ厳しい折、どうぞご自愛のうえ、良いお年をお迎えください。来年も引き続きよろしくお願いいたします。